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標準貨物自動車運送約款は平成2年運輸省告示第575号として発令されました。

第二次世界大戦後の昭和・平成・令和の日本の経済成長を支えてきたトラック事業者様の業務規範であると言えます。

しかし、多くの運送事業者は運送約款の存在を知りつつも、あまり深く研究されることなく日々の業務に忙殺され、自分たちがどれ位の報酬を得ることができるのかどんな権利義務が在るのかよく理解されないまま荷主の言い値で仕事をされている方々が非常に多いのが現状です。

今、世界中がコロナ禍という人類が予想もしなかった苦難を乗り越え、新しい世界を築かなければなりません。

単なる安値競争のグローバル社会は終わりを告げ、安全重視・輸送品質の向上重視の倫理感を持ち、持続可能な運送事業に大変革をして行く必要があります。

その為には、自分たちの権利を単に主張するだけではいけません。

荷主・荷受人（お客様）の立場から運送事業の大切さを唱えるべきです。

例えば、「イチゴ」は1パックが数百円で、スーパーで販売しています。

又、一方では、「高級イチゴ」として1粒が1,500円～2,000円以上するものまで人気を博しています。この差はなぜ起こるのでしょうか⁈

勿論、鮮度・形状・保存・運搬方法等が最も大切なものとなります。

つまり、物流によりこれらの商品価値が保たれるものです。

物流は単に商品を運搬するものではなく、ましてや、荷主の使い走りではありません。『物流こそ大切な付加価値』です。『物流は商品の一部』となります。

必要なものを最も必要な時間に、最適な手段で届けること、

つまり、『物流Maas社会の実現へ』運送業は荷主の大切なパートナーとして、

単に運賃の値上げを荷主に要求するだけでは「標準的な運賃」の実現はありません。本書ではこのような考え方から運送約款の解説の中では、運送事業者の皆様が荷主と荷受人の民法・商法上の権利義務関係をも説明し、運送約款の大切さを理解して頂き荷主と共にお客様に『荷主と一体となった商品づくり』の開発・提供ができる運送事業者、そして、正当な運賃が収受して頂ける運送事業者になって頂けることを目指しております。